戸籍謄本を取得したい人が、
仕事や、他のいろいろな事情で忙しくて、
本人がなかなか取りに行けないこともあります。
また、本人が戸籍謄本等を取得するには、
そのための必要な書類や、手順があるので、
よくわからないといったこともあります。
そのような時には、信頼のできる人に、
戸籍謄本等の取得を、委任することが可能です。
また、委任できる人とは、
家族や親戚、知人の誰かでもかまいませんし、
まったくの他人でもかまいません。
ただ、委任した場合には、
その委任を受けた人が役所への戸籍の請求者となりますので、
その人の身分証明書の提示が必要になります。
もし、委任を受けた人が、自分の身分証明書を役所に提示できなければ、
その人は、たとえ戸籍の取得のための委任を受けていたとしても、
役所から戸籍謄本等を発行してもらえないのです。
そういったことからも、戸籍の取得を委任する時には、
運転免許証や健康保険証などを保有していて、
きちんと身分を証明できる人を選ぶべきなのです。
また、戸籍に載っている本人以外に、
戸籍の取得を委任する時には、
通常、委任状が必要になります。
委任状の内容としては、委任者の住所と氏名、
受任者の住所と氏名、委任した年月日、
戸籍の取得を受任者に委任する旨が記入された委任状となります。
なお、委任状には、委任者の氏名の横に、
委任者の印が押されたものでなければなりません。
この委任者の印については、
できれば実印が好ましいですが、認印でもかまいません。
そして、受任者が、委任者の代わりに役所に出向いて、
戸籍謄本等の請求をする時に、
戸籍請求用紙などと一緒に、委任状も提出する流れになります。
その時に、上記の内容の委任状が無いのに、
口頭で委任を受けていることを役所の担当者にいくら伝えても、
戸籍謄本等は発行してもらえません。
昔と違って現在では、戸籍謄本等の発行については、
1つ1つの書類に細かいチェックが入りますので、委任状が無かったり、
委任状の記載内容に不備があれば、対応してもらえないのです。
そのため、戸籍に載っている本人以外の人が、
戸籍謄本等の取得をする時には、必要な内容が記載された委任状と、
受任者の身分を証明することができるものが、最低限必要なのです。
なお、受任者が戸籍謄本等を取得する時には、
委任状や、身分証明書だけでなく、
戸籍の請求用紙や、手数料を支払う現金、
受任者の印も必要になります。
そして、戸籍の請求用紙には、
戸籍謄本等が必要な人との関係を記入する箇所がありますので、
そこへ代理人と記入することになります。
つまり、本来は、戸籍謄本等が必要な人が請求者になるのですが、
委任を受けた人が、その戸籍謄本等を請求する時には、
受任者が請求代理人になるということです。